EU・FDA 再生プラスチック規制コンプライアンス調査・新規登録申請支援
Recycling of plastic materials and articles intended to come into contact with foods
食品接触を目的とした再生プラスチック規制 (EU) 2022/1616 of 15 September 2022

食品・包装業界は多くの課題に直面しており、既に一定の成果が得られつつはありますが、リサイクルされたプラスチック原料が優れた新しい食品包装を再び作成するのに適していることを確認するには何が必要でしょうか?
食品接触材料 (FCM) として使用される再生プラスチックは高い安全レベルでリサイクルする必要があります。 EFSA (欧州食品安全機関)はリサイクルプロセスが適切な技術に基づいているか
新規技術として開発されているかに応じてリサイクルプロセスに対する異なる要件を定義しました。[1]
FDA においては、リサイクルされた材料が食品と接触して使用しても安全であることを示すための統一的なアプローチが推奨されています。[2]
両規制当局は、チャレンジテストが安全性評価の重要な要素であると考えています。
対象:再生プラスチックを使用した食品容器包装用の下記技術・製品
□ PETのリサイクル:PETチャレンジテスト(EFSA、FDA)
EFSA はメカニカルリサイクルが食品と接触することを目的とした再生 PET に適した技術であると考えています。 各プロセスは個別に認可される必要があり明確に定義された安全性評価基準に従ってチャレンジ テストを実施する必要があります [3]。
FDA の場合、事前通知協議(PNC)を要求し異議なしの通知 (LNO) を取得することができます。 チャレンジ テストはこのような PNC リクエストの重要な要素の 1 つです。
□ 非 PETのリサイクル: 新規技術 (EFSA)
EFSA は適切な技術(Suitable technology)としてリストされていない全ての技術を新規技術とみなします。 リサイクルされた食品接触材が市場に投入される前に新規技術について当局へ通知する必要があり、かつ定期的なモニタリングを実施する必要があります。
References:
[1] Commission Regulation (EU) 2022/1616 of 15 September 2022 on recycled plastic materials and articles intended to come into contact with foods, and repealing Regulation (EC) No 282/2008
[2] Center for Food Safety and Applied Nutrition, Office of Food Additive Safety: Guidance for Industry: Use of Recycled Plastics in Food Packaging (Chemistry Considerations), July 2021.
[3] EFSA Panel on food contact materials, enzymes, flavourings and processing aids (CEF); Scientific Opinion on the criteria to be used for safety evaluation of a mechanical recycling process to produce recycled PET intended to be used for manufacture of materials and articles in contact with food. EFSA Journal 2011;9(7):2184.
新規技術に対する支援サービス
・テスト戦略の設計:
新規技術を通知する場合、開発者は製造された材料が食品接触材として使用しても安全であることを示す必要があります。 登録申請における豊富な経験、化学技術、機械工学、分析化学、食品科学からなる学際的チームが実施すべきテスト戦略について助言・サポートします。
・モニタリング:
投入材料の全ての関連汚染と最終材料、および製品の残留汚染レベルを対象とする様々な分析スクリーニング方法論の提供。 サンプル前処理方法検討。 モデリングソフトウェアを使用した食品への汚染物質溶出量測定、および溶出実験の実施。
・チャレンジテスト:
開発中の新規技術のチャレンジ テスト (代用物、汚染手順、分析方法の選択) の設計・実施。
2025年3月に施行されたRegulation (EU) 2025/351 について

当規則は、食品接触材料(FCM)、および成形品に関連する3つのEU規則、プラスチック規則EU 10/2011, GMP規則EU 2003/2006、再生プラスチック規則 (EU)2022/1616の改定版です。
プラスチック製の食品接触材に対する規制を強化することで、食品安全性の向上を目指しています。 Link: EU No.2025/351
当規則改定の目的は下記のような点です。
● より厳格な純度要件; 再生材料を含むプラスチック製造に使用される物質の純度要件定義
● より厳格な移行制限; プラスチックから食品への物質の移行量に関する制限設定
● サプライチェーンの責任強化; 組成と純度に関する文書提供、適切な適合宣言書の整備、義務付け
● 新たな表示義務; 劣化を軽減する方法や製品が寿命を迎えた時期に関する情報の記載義務付け
関連企業は、添加剤の見直し、移行試験プロトコルの更新、純度基準への準拠、トレーサビリティ対策の強化、再処理時の端材、スクラップ、副産物の厳格な分離の徹底等の対応が必要になります。
コンプライアンス期限
● 2026年9月16日までにこの規則に準拠する必要があります。2025年12月16日以降に初めて市場に出される製品で、新しい基準を満たさないものは明確に識別されなければなりません。
FCMに使用される物質の「高純度」を実証するための分析技術とアプローチ
EU 2025/351の公布によりプラスチック材料、および成形品に使用される物質に対するより厳しい純度要件が設定されました。これらの物質は、以下の要件を満たす必要があります。
● 特定された主成分と一致していること。
● 関連規制への準拠、リスク評価への合格、0.05 mg/kg食品未満で遺伝毒性がないこと、または遺伝毒性が不明な場合は移行量が0.00015 mg/kg食品未満であることなど、特定の基準を満たす非意図的添加物質(NIAS)の含有値が最小限であること。
これらの純度プロファイリングを成功させるには、高度に洗練された機器、試験方法、そしてデータに基づくリスク評価が必要となります。
2023年10月 プレスリリース; マクドナルド、コカコーラ等の多国籍企業、TNO との共同プロジェクト
マクドナルドとTNOはプラスチック製の食品包装をより持続可能なものにするために、Triskelion社、およびコカコーラ等複数の多国籍企業とコンソーシアムプロジェクトを開始します。
参画企業はキッチンからプラスチック製の食品包装材とマクドナルドから廃棄された再利用可能なカップを回収し少なくとも35%がリサイクル素材で構成される新しい食品包装材にリサイクルします。
TNOが主導する当プロジェクトでは、包装廃棄物とカップがマクドナルドのレストランから収集、輸送後リサイクルされ、その後レストランで再利用されます。これはLDPE(低密度ポリエチレン)製包装とPP (ポリプロピレン)包装に関するものです。
食品の安全性と品質を追求し環境と経済の持続可能性を組み合わせます。
当プロジェクトでは、欧州食品安全機関 (EFSA) からの認証を受ける資格を得るために食品の安全性と製品品質の厳しい要件を満たすリサイクル材料から作られた新しいパッケージを開発します。
また、食品包装にリサイクル材を使用するための標準手順の開発も行い、食品の安全性と持続可能性に加えリサイクルの経済性も考慮します。
Link to this press release of TNO Brightlands Materials Center.